いつもの街歩き、
山登りが楽しくなる
ケミカルシューズに代表される「ものづくりのまち」神戸市長田区。この地で1971(昭和46)年に創業し、山好きに愛されてきた老舗メーカー「神戸ザック(KOBE ZAC)」とのコラボ商品です。本格的な登山用ザックも扱う神戸ザックのアイテムの中でコンパクトな「きんちゃくザック」を、限定カラー(2種類)で用意しました。お買い物用マイバッグなどにも使いやすいよう、特製の収納用メッシュポーチ付きです。かわいいだけでなく、機能性も折り紙付き。このきんちゃくザック、もとは高校のワンダーフォーゲル部の登山競技用ザックとして考案されたものなんです。

神戸と登山の組み合わせを意外に感じる方もいるかもしれません。港町のイメージが強い神戸ですが、一番の特徴は、細長い街を挟み、海と山が近くに共存すること。方角を「海側(南)、山側(北)」と表現するほど海と同様、山は身近な存在です。「海と常に背中合わせに、六甲山がある。楽しく歩ける所あり、険しい道あり、山登りの文化があって神戸ザックも生まれました」と話すのは、現代表の前川拓史さん(57)。創業者の星加(ほしか)弘之さんがあと数年で80歳になるのを前に廃業を考えていた2020年、取引があった前川さんが「これは残さなければ」と事業を承継しました。先代の星加さんは登山家で、自作のザックとともに山に登っては、機能や背負い心地を追求してきました。
一方の前川さんは、1993年に神戸発のセレクトショップ「乱痴気(ランチキ)」を創業。世界を飛び回り、自ら目利きした先端のファッションを神戸に持ち帰ってきました。出店したトアウエストや乙仲通りはいつしかアパレル店などが集積し、流行に敏感な若者に人気のエリアに。東京・渋谷にも進出しました。「ところが2010年前後から、売り上げがガタンと落ちて」。スマートフォンやネット通販の普及、ファストファッションの台頭、リーマン・ショックや東日本大震災…。流行の窓としてのセレクトショップや、ファッションと消費を取り巻く状況は急速に変化していました。その頃から前川さんのアンテナは、足元へ向き始めます。「アメリカで古着を探してレンタカーを走らせていたのが、兵庫県内の地場産業を車で見て回るようになって」。兵庫の地場産品をセレクトしたショップ運営なども始め、その過程で、後継者不足などで伝統が途絶えてしまう例も目にしてきました。
昭和の風情を残す神戸・長田の路地。1階に神戸ザックの店舗が入るビルの3階、「神戸ザック研究所」の看板がかかった部屋にカタカタとミシンの音が響きます。「ミシンの調子が悪いと、自転車で修理に来てくれる。まち全体が工場なんです」と前川さん。年季の入ったミシンを操るスタッフには20代の若い女性たちの姿も。前川さんが非常勤講師を務める神戸芸術工科大学でファッションを学んだ縁で神戸ザックに入り、先代の星加さん夫妻から1年かけ手作業のザック作りの技を受け継ぎました。前川さんは「僕はものづくりができない。神戸ザックを守りたいという僕の意思を、彼女たちが守ってくれています」と話します。
きんちゃくザックも、若いスタッフの「この競技用ザック、軽いし、かわいいね」「色を変えてみようか」といった声から生まれ変わった〝古くて新しい〟逸品です。上の開口部分を巾着(きんちゃく)状に絞って閉じる形で、お子さんにも扱いやすい構造。背負えばリュック、手に持てばトートバッグとして使えます。アウトドアや街歩き、お子さんの習い事など幅広いシーンでご活用いただけます。軽量で速乾性に優れたナイロン素材で、クルクル巻いて小さく畳むことも可能。付属の特製ポーチに収納し、別のバッグに入れておけばスーパーでのマイバッグ、旅先でのセカンドバッグとしても重宝します。
カラーは限定の2種類。グレーは、ワンポイントのビビッドピンクのテープが鮮やか。黒とグレーのツートンはどんな服装にも合い、男性にもオススメです。愛らしいイモ虫のキャラクターが目印の神戸ザックのブランド「IMOCK(イモック)」と、「いいモノがたり」の2つのネームタグが付いたコラボ仕様です。
商品詳細
日本製
本体生地:高密度ナイロン
サイズ:高さ:約38センチ、幅:約35センチ、底:約27センチ
容量8リットル、重量約200グラム