創業114年を迎える国内屈指の老舗タンナー「山陽」(姫路市)が手掛ける新たなレザーアイテムブランドTAANNERR(タァンネリル)。このブランドには、老舗の“延長線”ではない、現代における革の価値を問い直すメッセージが込められている。
戸田健一社長には忘れられない出会いがある。以前、売り場に立って商品を販売していたときのことだ。高級ブランドに身を包んだ一人の紳士が、山陽の革製品を手に取ってじっくり眺めた後、「何なんだこれは」と驚きの声を上げた。高級ブランドの革と比べても遜色ない上、はるかに安価だったからだ。「買わない選択肢はない」と即決で購入してくれた。
ブランド名よりも品質を重視するユーザーの存在を実感した瞬間だった。
なぜ今「TAANNERR」なのか? 革製品市場が縮小する中、あえてブランドを立ち上げた理由について戸田社長は「革は食肉の副産物であり、昔から活用されてきたサステナブルな素材」と語る。活用しないと廃棄・償却が必要だが、加工すれば生活を彩る素材になる「アップサイクル」の考えを広め、革の本当の価値を伝えたいという思いがある。
工場には、革のなめしだけで20〜30を超える工程が存在し、10万回の屈曲テストで耐久性を確認することも。山陽ではビジネスシューズ用の革の製造が多く、全製品を通して、高い強度、柔軟性、耐久性を求められている。「革靴で得た知見やノウハウを応用し、財布用の革でも必要な物性を追求している。それが安心・信頼につながっている」と戸田社長は力を込める。
TAANNERRが開発した防水革の三つ折り財布は、「革製品は好きだけれど、ケアが大変」という声から生まれた。山陽が得意とするのは、機能性を付与した革づくりだ。ビジネスシューズ用の革製造で培った技術力でブランド用の新たな防水革を開発した。革の表面に凹凸を付けるエンボス加工(型押し)を施すことで、傷にも強い商品を実現。キャッシュレス化に合わせたコンパクト設計に、かわいらしいデザインと遊び心、豊富なカラーバリエーションを取り入れた。
BtoB中心の山陽が、一般消費者と直接向き合うために立ち上げたTAANNERR。そこには、百年企業の誇りと、革の未来への熱い想いが込められている。
素材:牛革(ステア) 生産国:日本製 サイズ:H 10.5×W 8×D 4.5 (cm) 仕様:札入れ×1・コイン入れ×1・カードポケット×6・フリーポケット×3
説明テキストが入ります
防水革三つ折り財布・TAANNERR(タァンネリル)最高級本革を使用、職人が一点一点製作
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